こころ - The World

タロットといえば占いだと考えても良いと思いますが、その「タロット」を「こころ」のカテゴリとするのには理由があります。

こころとは何か? 漢字で書けば「心」ですが、人間の中にあるのは臓です。心臓というのは、解剖学的に言えば血液を送り出すポンプに過ぎないのですが、こころを宿す臓器でもあるのです。人のこころは頭の中ではなく、胸の中にあるわけです。

「世界の中で、愛をさけぶ」などという小説が話題になったこともありました。私はその小説を読んだことはないし、ドラマや映画も見たことはないので、内容に関しては全く知らないのですが、はたして「世界の中」とは、いったいどこにあるのでしょう? 私は、世界の中心は、全ての人の、一人一人の胸の中にあると思っています。こころこそが、世界の中なのです。

誰の胸の中にも世界の中心があるとするなら、たった一つであるはずの中心が無数に存在することになります。一見矛盾しているようですが、これは真実です。なぜなら、この世界がこころそのものだからです。われわれは、その世界の一部でもあり、全てでもあり、中心でもあるのです。それを区別し、どこかに中心を定めようとしているのは脳の働きに過ぎません。頭の中で考えてばかりいる理屈っぽい人には、なかなか理解できないことかもしれませんね。

タロットカードは世界を映し出す鏡です。あるいは、世界を映し出すホログラムといった方が良いかもしれません。世界がこころそのものであるなら、カードは人のこころも映し出すのです。カードを通じて人のこころに触れるもの、それが、タロット占いです。

こころの問題は、人間の知識だけで理解できるものではありません。頭で考えるのではなく、胸で考えなければならないのです。タロット占い師になるために膨大な知識を頭に詰め込んだとしても、それはほとんど役には立たないでしょう。むしろ、それらの知識を全て捨ててでも、こころの問題に向き合う覚悟が必要なのです。

21 世界

タロットの二十二枚ある大アルカナの物語では、0番目の「愚者」が、二十一の魂の旅路の果てに、最後には「世界」へと到達します。こころとは何か? その問いに対する答えが、そこに示されているのかもしれません。


作成日時: 二00五年七月十三日(水) 十九時五十一分二十一秒


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片桐智のタロット占い